再会 ―プロローグ―

 

 派手な音を立てて、水飛沫があがる。

「消えないよね?」

 ユウナは静かに言った。

 あれから二年──ユウナにとって、とても長い月日が過ぎた今、熱い想いが胸を過ぎった。
 その胸のたぎりを、甦らせた「彼」が、まさに目の前にいる。夢かもしれない、とユウナは思った。

 二年前、突然現れて、突然姿を消した、愛しい「キミ」。


『消えていってしまった人達の事、時々でいいから、思い出してください』

 シンという脅威を消滅させ、民衆の前でユウナはそう言った。
  しかし、彼女にとって「彼」──ティーダの存在は、何時如何なる状況であっても、忘れる瞬間はなかった。


 初めての出会い。
 指笛と笑う練習。
 マカラーニャの森の聖なる泉での出来事。
 そして──ティーダが薄れ行き、飛空艇から飛び降りた瞬間。

 せめて夢で逢えたら──何度も願った。だが、夢の中での彼は、背中を向けて、追い付けないスピードで消え去ってしまう。
 ひょっとしたら、駆け付けてくれるかもしれないと、何度も指笛を吹いた。それでも、彼は一向に現れる事はなく、ユウナはその度に、声を押し殺して泣いた。

 もう二度と逢えない、そう諦めていた彼が、今まさに目の前で笑っている。
 二年前と同じ表情で。


「消えないっス」
 あの頃と同じ声で、ティーダは言った。
「ユウナが俺の事、想ってくれていれば、消えないっス」

 ユウナの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。これは現実だろうか? いや、現実であってほしい。

「本当っスか?」
 涙声で言うユウナに、ティーダは力強い口調で言葉を返した。「本当っスってば!」

 ティーダはユウナの手を引き、さっき彼女がしたように、突然水面にユウナの身体を沈めた。
 きゃっ、とユウナは小さい悲鳴を上げたが、水面に顔を出すと、愛しい彼の笑顔が目の前にある事を現実と知り、つられて満面の笑みを浮かべ、ティーダに抱きついた。
 ティーダは、ユウナの突然の行動に驚愕しつつも、自らの腕をゆっくりユウナの背中に回した。
「温かい──本物のキミだね」
 ユウナの腕に力が込められる。

「ユウナ……」

 ティーダの声に、ユウナは涙と海水で濡れた顔を上げた。


 二人の視線が絡み合う。
 そのまま二人は、自然と顔を近付け、飽きるまで、何度も熱いキスを交わした。


 ……ザナルカンド遺跡の夜が更けてゆく。

 

 二人の未来が、これから始まろうとしていた。

 

・・・To be Continued

 

【解説】
FF10-2のハッピーエンディング後の、二人の遣り取りの妄想です。所々の細かい台詞を忘れてしまったのですが、間違っていても突っ込まないで下さい(汗
このページに関する裏? 勿論あります( ̄ー ̄)ニヤリ

 

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